「顔に降りかかる雨」 桐野夏生
小さいころは、西村京太郎と赤川次郎をたくさん読んでいましたが、そのうちだんだんと犯人探しに飽きてきました。つまり読んでいる途中から
「誰が犯人だっていいじゃん」
という投げやりな気持ちになってしまう。この小説は典型的な犯人探しの推理小説で、ふだんの私なら読まないのですが、桐野夏生が書いた本なので読んでみた。
ストーリーは親友が1億円を持って逃げた。親友とグルになって大金を盗んだと疑われた主人公は、インテリヤクザの男とコンビを組んで1億円を追うという話。
まるで火曜サスペンス劇場です。
この作品で桐野氏は江戸川乱歩賞を受賞し、日の当たる場所に登場したのでした。でも桐野さんらしくない小説ですね。毒がないし、あんまり濃くないし。私はなぜか犯人が最後まで分かりませんでした(^^ 久しぶりにこの手の小説を読んだからかもしれませんが、うまいなぁと思いました。 ちゃん、ちゃん♪