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「胡蝶の夢」 司馬遼太郎

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これは資格を取ろうとして頑張っている人の物語です。

江戸城の奥医師松本良順と弟子の島倉伊之助が主人公。黒船到来・幕末によって日本は何もかもが変わってしまいました。政治がかわりそして医学がかわる。それまでの漢方医学一辺倒から、蘭学が求められるようになります。つまり医者に求められるニーズが激変したということです。医者にとっては、時代が変わったのに、いままでどおり漢方医学だけで仕事をしていても患者から見捨てられてしまいます。だから蘭学を学ばなければいけないというわけです。松本はポンペという外国人医師から蘭学を学ぼうとします。

わたしはこの小説が好きなんですよね。

今私が勉強している税理士試験と、松本良順たちがやろうとしていることは一緒だからです。松本は医学の分野で取り残されないようにと思って資格を取ろうと頑張っている。そういう見方をしました。

黒船の到来というのは

現代のサラリーマンにとっては

「会社の倒産」というメタファーだと

思ってください。



分かりますか?松本は江戸幕府にとって偉大な医者であるわけですが
その幕府がいまなくなろうとしているのです。
どんな時代であっても、現状は常に変化すると意識しなくちゃいけないのです!!
私はそう考えて勉強しています。

世の中、現状は変わらないと思っている人は非常多いと思う。
しかしそういう考えではいつかは痛い目を見ます。
会社は倒産せず、定年まで働く・・・というのは幻想です。
絶対にそのあいだに信じがたい「変化」があるはずです。それは必然です!
あはたはいつか会社以外の場所で自分の能力を試される時期がやってくる。


蘭学を急いで学ぼうとした医者たちの気持ちは、痛いほどよく分かる。
それは期待感よりも不安や危機意識のほうが強かったように思う。

そして倒幕によって文明開化が起こるわけです。

この小説は時代の変化に

翻弄されながらも

その変化を肯定し、

自分をレベルアップさせようと

必死に頑張っている人たちの物語


入社して5年ぐらいたってだんだん落ち着いてきたサラリーマンには必見ですね。