「深い河」 遠藤周作
歌手のうただひかる(漢字がわからない)さんもこの小説が好きなようです。
これを読むと本当に自分もインドに行ったような気分になれます。
遠藤さんがクリスチャンなのは有名な話ですが、
今回は、女のために信仰を失ったクリスチャンが描かれています。
この作家は「沈黙」でもそうでしたが、信仰心がゆらいだ登場人物をたくさん描いてきたと思う。
その根底にあるのは
人間は弱い、人間は罪深い
というもの。
彼の小説には誰1人として信じることを疑いもしない強い信者は登場しない。
常に信仰に迷いを持ち続けている。
信じようと思っても弱さゆえに信じきられない人間が多い。
そしてそういう弱い登場人物を否定するのではなくて肯定しているようなところがある。
私は、人は常に罪を背負って生きているという考え方が好きだ。