カテゴリ:大道珠貴( 1 )

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大江健三郎が、絶賛していた小説。
大道珠貴は、芥川賞作家。

「裸」は、なんでもない日常生活を、淡々と描く。
日常生活を繰り返すだけの小説ですが
なぜか恐ろしいほどの「絶望」を感じる。

彼女の小説に登場する人物は家族を信じられずに
家族から逃げ出す者が多い。

人を信じる、ということは、本来非常にしんどいことだと思う。
言い換えるならば、「家族」の一員であり続けることは、大変なこと。

父親は、父親役を演じなくてはいけない。
母親は、母親役を演じなくてはいけない。
息子は息子役を演じなくてはいけない。
本当にストレスがたまる・・。

私の場合、信じなくてはいけない家族を故意的に避けることで、
自ら「絆」を断ち切りました。父や母が喧嘩しても・・

「どうだっていい、両親と私は他人であり関係ないのだから」

いつも、そのように、念仏のように唱えてきたと思う。
そして無意識のうちに、家族に関しての自分の気持ちを鈍感にさせてきた。
    
つまり怒るでもなく、悲しむでもなく、両親の間で起こる出来事を
淡々と受け止めてきた。まったく無感情に。

家族を他人と思うことで客観的に傍観者として眺めることができるから
傷つかなくていい。
私はいつの間にか、こういう防御方法を身に着けていた。 
息子役を降板したのです。
             
大道の小説は、ようするに、家族の一員でいるのは、
しんどいから、や~めた、といって逃げ出す物語です。
私にとって、反面教師になっている。だから読み続ける。
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by _hanako311 | 2007-01-04 22:50 | 大道珠貴