カテゴリ:三浦綾子(3)( 3 )

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三浦綾子の自伝小説。三浦さんは若い頃は教師でした。しかしある理由で情熱を持っていた教員生活に自信を喪失して退職する。そして、どうしようもない虚無感から、自堕落な生活を送るようになる。

若い頃の三浦さんはかなり、おきゃんだったそうです(死語?) 

2重婚約という過ちもおかしてしまいます。その後、三浦さんは婚約者との結婚を寸前に控えていた頃、急に貧血に襲われて倒れる。そこから13年間にもおよぶ壮絶な闘病生活がはじまったのでした。この自伝小説は、作家三浦綾子の若い頃の喪失、結核になり自殺未遂、そしてある1人の男性と出会って、信仰にめざめ、再生していくところまでが描かれています。実体験だから血が通った凄みがある。 

ここには描かれてはいませんが、結婚後の三浦さんは「氷点」という小説を新聞社に応募し、それが入賞して作家になります。その後は、結核、脊椎カリエス、心臓発作、帯状疱疹、直腸癌、パーキンソン病など、ありとあらゆる病魔におかされながらも、強く生き続けたのでした。とても真似できるものじゃありません。世の中には不幸な人は大勢いるでしょうが、あまりにも辛くて死にたいと思う人がいるなら、三浦さんの生き様を描いたこの小説を読んでからでも遅くないんじゃないかと・・・・おもうのでした。

なぜか瀬戸内寂聴さんと三浦綾子さんが私の中で重なりました。
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細川ガラシャ夫人の本名は玉子(お玉)です。ガラシャは洗礼名。お玉の父親はあの有名な明智光秀。父親は謀反をおこして上司を殺してしまいます。殺した相手がなんと織田信長という当時の日本で一番偉い人でした。歴史的な大罪人の娘になってしまったお玉。彼女は大名の細川氏の妻になる、その後本能寺の変がおきて父親光秀が殺される、逆賊の娘お玉は夫に愛されていたために殺されはしなかったが2年間ほど幽閉される、お玉はカトリックの教えに興味を持ち、しだいに神を信じるようになって受洗しキリシタンになる。 当時は秀吉が信者を迫害していましたからキリスト教徒になることはすごいドロップアウトだったと思います。

いろいろあって玉子は38歳で自害する。
けれども同じキリスト信者の三浦綾子はそのようには書かなかった(キリスト教では自殺と離婚は禁止されている) ここで描かれる細川ガラシャは自分の信仰になんの迷いも無い強いキリスト信者でした。

「強い信者」というのが三浦文学には一貫しているテーマです。

ちなみに細川ガラシャをもう1人のキリスト信者の遠藤周作に書かせたらまったく違う細川ガラシャが生まれました。それは「日本の聖女」という短編で書かれています。遠藤さんの場合、お玉は夫に失望して宗教に救いを求めた・・・という書き方をしている。そしてそのうえで彼女の弱さを肯定している。

「弱くて迷ってばかりいる信者」それが遠藤文学には一貫しているテーマです。

キリストの教えでは自殺と離婚は禁止されている。しかし実際の細川ガラシャは離婚願望が非常に強く、自殺もしている。そのへんをありのままに見せてくれたほうが私は人間らしさを感じてよかったとおもいます。三浦さんの主人公はいつも立派すぎるんですよね・・
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北海道の塩狩峠で、起こった事件をもとに小説にしたのが本作です。
この小説には、ふじ子という女性が登場します。

ふじ子のモデルは、三浦綾子本人になっていると想像します。

三浦綾子といえば、結核、脊椎カリエス、直腸癌、パーキンソン病など
ありとあらゆる病魔と闘ってきた奇跡の女性ですが
若いふじ子も、当時では死の病と言われた結核にかかってしまい
あげくのはてに脊髄までやられ、婚約者がいたのですが破談になってしまいます
(このへんは、すべて三浦さん本人の実話) 

短命が自分の宿命と考えるふじ子は、結婚を諦めて
残る余生を静かに送っていました。
そこに幼なじみの主人公が現れ、冬のソナタ級の純愛がはじまります。

だけど、ふじ子は「結核で、もうすぐ死ぬと思うから」という理由で
結婚には消極的だった(多分そうだったと思う・・) 

しかし、主人公の誠実な愛情に接していくうちに
十年後?に奇跡的な回復をみせる。(とにかく長い闘病期間だったと思う)

ふじ子が立って歩けるまで回復したときは素直に嬉しかった・・
そしてずっと待ち続けてくれた主人公とついに結婚することに・・。

そのとき、「あの事件」が、塩狩峠で起こったのです。

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(左写真:塩狩峠を上がるローカル列車)

ちなみに、三浦綾子本人の闘病生活は
24歳のときから37歳まで13年間も続いた。

ふじ子と同様に10年以上も寝たきりでした。


その間に三浦氏は、自暴自棄になって自殺未遂も経験していますし
婚約者も失っています。

しかし長い闘病生活を支え待ち続けてくれた男性と
37歳のときに結婚しています。 

つまり、主人公は
三浦氏の夫だという一面も含まれていることが分かります。
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