カテゴリ:村上春樹(5)( 5 )

e0065456_2061329.jpg


これは長編小説というよりも・・・・
長い短編小説?!のような感じの作品でした。


いろんな伏線があるのですが、最後までそれを放置したままにしておいて
「さあー、あなたはこれをみてどう感じましたか?」というような書き方をしている。

タイトルどおり、闇・夜が共通したテーマになっています。
不思議な闇の世界観を売りにしているのかもしれませんがインパクトが弱い印象を受けます。独特の世界観をつくるということに関しては、もっとうまい世界観をつくる作家はたくさんいるので、この程度の世界観じゃ私は満足できません。ときどき出てくる男女の会話シーンだけは村上春樹的でおしゃれな感じがします。でも心には残りません。ちょっと面白いだけです。


闇といえば暴力。

この作品には暴力の世界に生きる男が登場します。村上春樹にしてはめずらしく「暴力」を描いているのですが、やはりこの人に暴力は似合わない。迫力がないし本人も書きたくないのじゃないだろうか。
もしこの「アフターダーク」を桐野夏生や村上龍が描いたら
さぞかしアフターダークらしくなったでしょう。
[PR]
e0065456_19594133.jpg


名著「ライ麦畑でつかまえて」を村上春樹が翻訳したものです。
村上春樹の言葉はもはや村上春樹語と言っても良いくらいに独特で確立されているので
この作品も翻訳本というよりは、村上春樹が書いた小説のようになっていました。

ホールデンくんのように純粋で生意気で生きるのが下手な子供が、いったん村上語で喋り出すと、イメージがやはり変わってくる。 村上語でしゃべるホールデンくんは、やっぱり少し上品になってしまった感じがします。 

原作のホールデンくんは
「世の中はくそったれだ」「インチキやろうのクソ大人め」
といつも言っているロック調の男の子というイメージがあったのですが。

だんだん孤立を深めて転落していくホールデンくんは見ていてやはり切ないです。
[PR]
e0065456_0214735.jpg


ロシアバージョンの「カンガルー日和」です。
カッチョイイー(^^
Муракамиは、ロシア語で村上春樹という意味です。


この短編集には
「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」
という長いタイトルの短編がある。

ようするに、100%ってなんやねん、ということです。

村上春樹いわく、電車に乗っていた時、宙吊り広告に
100%の女の子を見つけたから、
4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて
という短編を書こうと思った、といいます。

簡単にいえば、広告の女性にひとめぼれしたから
4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて
という短編が生まれたわけです。

4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて
というタイトルから分かるように、この作品は
4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会う話です。
私には、4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて
という長いタイトルをつける意味が、さほどあったとは思えません。

だいいち、こうやって、4月のある晴れた朝に
100パーセントの女の子に出会うことについての感想を書くだけでも
非常に疲れてくるわけですから、いい加減にしてもらいたいものです。

ではロシア語で、4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて
と書くとどうなるのか・・・・
いや、マジで疲れたからもうやめます。
[PR]
e0065456_12385461.jpg


海外でなぜか評価が高い春樹
本作は逆輸入小説。

短編小説というのは、感じるものだと思う。
美術館に行って、美術品を観るのと、短編を読む作業は似ている気がします。

特に村上の短編は感じられるか、感じられないかによって評価が違ってくる。

感性の乏しい人は、美術館でへんてこりんな絵や彫刻を観ると

「へんなの」

としか言葉は出てきませんが
感性の豊かな人は、それを見ていろんな感想を述べることができる。
その感想が、美術品の創り手の意図しているものじゃなくても
それは相対的な真実なのです。それが感性の素晴らしさです。 

正直にいえば、私にとって村上の短編は

「有名作家の短編を読んでいる」

という意識があるから、感じたふりをしているケースが多い。 

もしかりに、このなかの短編のどれかが、実は村上春樹のものじゃなくて
素人の書いたものだよ、と言われたら、私はやっぱりそうか、と言うでしょう(苦笑)


ワインの味と、ピカソの絵と、スタンリーキューブリックの映画と、村上春樹の短編

は、よく分かりません。 しかし、ときどき分かったふりをします。
[PR]
e0065456_1971012.jpg


上の画像の本は、
海辺のカフカをはじめとして村上作品を読んだ読者が
作者にメールで質問したことをまとめたものです。

この小説を読んで「意味不明じゃん」だと思う人もいるかもしれませんが、
「意味」というのは作者の言いたかったことを考えることではなくて、
自分だけの答えを探し出すことだと思う。 
個人的には、読者が作家に解説を求めるものではないと思いますね。

ところで、10月にはいるとノーベル文学賞の発表があります。
じつは・・

村上春樹はノーベル文学賞の有力候補

だという。
イギリスのブックメーカーは春樹の受賞は36倍に設定。さあどうか。
[PR]