カテゴリ:恩田陸(3)( 4 )

e0065456_21193575.jpg



山奥の私有地をお化け屋敷(野外美術館)にして、そこに登場人物を招き入れて、きゃあきゃあ騒いでいる様子を楽しむという作品です。 いわば、おばけ屋敷疑似体験小説といっていい。文章で気になった点があります。「邪悪」という言葉がやたらと多い。描写の表現方法があまりにも直接的すぎるのです。邪悪だという言葉を使わずに、邪悪な雰囲気を読者に感じさせるのが作者の力量ではないでしょうか。


ラストはひどかった。


今まで積み上げてきたものを一気にぶち壊す、積み木崩しのようなラスト。わき役だった姉さんが突然「お化け屋敷」まで瞬間移動。悪者と超能力対決。こらこら。いくら恩田氏が人気作家だろうと、編集者は毅然としてラストの書き直しを要求すべきでした。



しかしこの本を読んで無性にお化け屋敷に行きたくなった。
e0065456_2124176.jpg
富士急ハイランドの戦慄迷宮が日本一番みたい。抜け出るのに50分もかかるみたい。途中に1人が生け贄となって進まなければならない部屋があるみたい。しかも徹底的に演技指導を受けた役者がお化け役で脅かすみたい。




上の写真。たぶんベットが置いてあって、ふとんのなかからお化けがわぁと出るところらしい。女性が男の背をぐいぐい押している。しかし男は前に進みたくない。左足に力をいれて懸命にふんばっている様子が伺える。左手の微妙な手首がこの男の恐怖を物語っている。
すごいねぇ、最近のお化け屋敷は。お化け役の人のことをアクターというらしい。彼らの脅しがとにかく半端じゃないらしいが、基本的にはお客さんに触れないらしいし、もちろん殴られたりもしない。(逆にパニックになったお客に殴られるのではないか)


私も若ければ一度はお化け役をしたかった。怖がる人を追い掛け回して、悲鳴あげさせて、腰をぬかした姿を眺める。ふふふ。実際のアクターさんたちは、お客が怖さのあまり、壁に追突したり転んだら、やさしく気遣ってくれるらしい。お化けの正体は時給980円のバイトさんでした。
[PR]
e0065456_1848576.jpg



恩田ワールド全開の大長編。たいへんお買い得ですよ♪

しかし読めば読むほど頭の中はクエスチョンマークでいっぱいに・・。

とりあえず、あまり、ふかく考えずに
「彼らは2・26事件を史実どおり繰り返すという目的を持っている」
ということだけを念頭において読めば良いのかもしれません。

わたしは全部読み終えてもあんまり理解できませんでした・・。

ちなみに仮にこの小説で繰り広げられるプロジェクトが成功したとしても
100年後にまた「2・26事件」が誰かに書き換えられる可能性もあります。

逆に考えると不一致になり、たとえ時間切れになろうが
未来の人間がプロジェクトに失敗したこの時間に戻り
成功させることだってありえるではありませんか??


つ、ま、り、史実というものは一生確定しない ということになる。



こういうタイムトラベルものは、主人公の時代を基準にして考えて
主人公よりも先の未来を度外視している。
そうしないと、小説がハッピーエンドになるか
バッドエンドに終わるかさえ決着がつかなくなるからです。

で、最後にいきつくところは
ドラえもんがのび太にいつも口をすっぱくして言っていることと同じように
「歴史は変えちゃいけない」というありきたりな結論になります。

この作品も大変面白いのですが
タイムトラベルもの特有のややこしさをいくつも抱えていたように思います。
[PR]
e0065456_21322015.jpg


バミューダートライアングル

という場所は、そこに行ったら、突然人が消えてしまうという伝説があります。

その理由はブラックホール説や宇宙人説などがありますがどうなんでしょうか。 
本作はバミューダからヒントを得たのかどうか分かりませんが、「その場所」に行ったら人間が突然消えてしまうというお話です。こういうネタは、映画や小説で多くありそうだと思って少し考えてみましたが、不思議と思いつかない。けっこう面白いネタだと思うのですけどね。千と千尋の神隠しは、それに近いかな。いやあれは消えることそのものがテーマじゃない。 本作は突然人が消えてしまう謎を解くために4人の男たちが調査に行く話ですが、さすがにミステリーの第一人者と呼ばれる著者だけあって、どんどん謎を膨らませていきます。 そして最後に恩田氏はごくまじめに人が消えてしまう謎を丁寧に説明してしまいます。すこし拍子抜けしたのは現実的なオチだったからかもしれません。しかもなぜか主人公はオカマだし。

もしこれが浅田次郎なら、人が消えてしまう謎を超怪現象にしてしまう適度ないい加減さがある。ただ謎解き本としてはまあまあでした。
[PR]
e0065456_19391485.jpg


謎が謎を呼ぶ恩田陸ワールドの真骨頂

という宣伝文句がいいですね。

・・・・・・・・・・。

ありえないすごい謎です(苦笑)  


だって、デパートで、


69名の人がいきなり


倒れて死ぬんですよ。



負傷者は116名。 
生き残った人たちから、この事件の謎を事情聴取していきます。

それがQ&A形式で行われるので、こういうタイトルとなったようです。 

なんで彼らは死んだか?と生き残った人にクエスチョンすると
アンサーは「分からない・・」と答える。


「とにかく前にいる人が、バタバタと倒れていったので、私は必死になって逃げ出した」


と答えます。


毒ガスか、サリンか?テロか?と考えるようですが、それもどうやら違う。
果たして誰が何のために、どうやってこれだけ大勢の人間を一度に殺したのか? 

謎はどんどん深まっていくにつれ、


さすがの恩田陸も、風呂敷を広げすぎたな、

と感じました(苦笑) 
[PR]