乳と卵 川上未映子

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美人のうえに、芥川賞を受賞。天は二物を与える・・。
とりあえず、読了後、 おもわず、「めっさ」の意味を調べてしまいました。
これって大阪弁??
娘は喋るときは紙に文字を書いて会話する。
まるで哲学者ニーチェに倣って「沈黙の誓い」をたてているようだ。
この娘の真面目さ、傷付きやすい繊細さの描写が非常に秀逸でした。
以下、選考委員の批評です。


e0065456_20514213.jpg小川洋子氏 「博士の愛した数式」の作家さん。
どちらかというと、ダークな作品が多い。読者に嫌な思いをさせるのが趣味なんじゃないかと疑ってしまった時期もある。

慎重に言葉を編みこんでゆく才能は見事だった。ただもしこれが母娘の関係ではなく、巻子さんの狂気にのみ焦点を絞った小説だったら・・。




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村上氏龍 元祖オレ流の作家。自称天才。ドストエフスキーの次ぎに女性にやさしい作家である。私は支持する。

作者の力量と作品の完成度からすると妥当な結果だといえる。アルバート・アイラーの演奏のような文体だ。ときおり関西弁が挿入されるが、読者のために緻密に「翻訳」されている。




e0065456_20593946.jpg宮本輝氏 国語の先生のように厳格な文章を書く作家さん。

女性が書く小説の素材としては、ある意味陳腐だ。諸手をあげてというわけにはいかなかったが、私も受賞に賛成票を投じた。

しぶしぶ賛成したことがみえみえである。





e0065456_2133671.jpg石原慎太郎氏 東京都知事でありながら芥川賞作家でもある。

受賞と決まってしまった「乳と卵」を私は認めない。1人勝手な調子に乗ってのお喋りは私には不快でただ聞き苦しい。この作品を評価しなかったことで私が将来慙愧することは恐らくない。

もはや毒舌を通り越して中傷に近い。しかしこういうキャラクターだから許されてしまう。
次の選挙で落選してほしいと願うばかりである。


e0065456_21232978.jpg山田詠美氏 今ではすっかり作家としての才能が枯れ果ててしまったが、いつのまにか文壇の大御所になっている。私はこの人の言う事は全て正しいと思っている。彼女が今後の日本文学をリードしていくべきである。

饒舌になりながら無駄口はたたいていない。滑稽にして哀切。受賞作にと即決した。
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