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劇団四季のボス

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時の光の中で―劇団四季主宰者の戦後史・・①  浅利慶太著

浅利慶太という演出家は、経営者であり政治家という側面も持っている。
広い人脈を持っており、石原慎太郎都知事(芥川賞作家)や、世界的な指揮者の小澤征爾氏とは悪友仲間のようです。また三島由紀夫や大江健三郎をはじめとした作家たちとも交友関係を築いていました。

今述べた人たちは芸術関係の人だから、浅利慶太と付き合いがあるのは分かりますが、なぜか佐藤栄作元首相に標準語を教える教師もしていた。浅利氏の役目は、佐藤首相のきつい方言を修正し、ソフトなイメージを国民に与えることであったという。

つまり浅利という演出家は
内閣総理大臣の演技指導までしていたことになる
(なんちゃって)  

その後も浅利は、田中角栄や中曽根といった政治家とつながりを持つようになる。彼のこの並外れた人脈が集金力となって、劇団四季を巨大劇団へと成長させたのは間違いありません。

しかしこういう政治家的で権力者を思わせる横柄な態度と風貌が、一部の劇団ファン(四季を官僚組織のような権力機構と同一視し、ブログで批判することによって、カタルシスを得ている人たち) に嫌われる要因なのかもしれません。

この本を読んだアンチ浅利の人々が穿った見方をすれば、
オレはこんなに偉い人たちと友達なんだぜという、ただの自慢話にしか聞えないかもしれない。

わたしは、浅利慶太という人は、上司にすると暴君になりそうだけど、友達にすると最高に面白い人だと感じました。 (続く)