もっと、もっと ウィキッド

ウィキッドの主要キャラクターについて私の感想を書かせていただきます。

良い魔女グリンダ(後に南の魔女と呼ばれる)
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彼女は金持ちのお嬢様でそのうえに美貌の持ち主。グリンダのキャラクターを決定づける台詞があります。


「みんな、ワタシに会いたがっているのね♪」


そうです、彼女は誰からも愛されている。しかし自分で謙遜もなくそれを言ってのけるところがグリンダの性格をもっとも表していました。グリンダの評判については、エルファバの対極にいるだけに、「偽善者」として観客から嫌われることが多いかもしれない。だからといってグリンダを演じた沼尾みゆきさんの演技が酷評される理由はない。むしろオズの国の住民には人気者であり、観客からは嫌われ者という難しい役をうまく演じていたように思います。グリンダは非の打ち所の無い女性のようで欠陥だらけです。そこに人間らしさを感じて、かえって共感が持てる。お調子者ではありますが、自ら道化師を演じている。つまり、民衆から愛される自分を演じているのがグリンダ。

ひとことでいえば魔法界の新庄です。

沼尾みゆきさんのこの二重演技は見事でしょう。ちなみに何もかも手に入れることができたグリンダがたった1つだけ手に入れることができないものがありました。それを手に入れたのは皮肉にも親友のエルファバでした。

悪い魔女エルファバ(後に西の魔女と呼ばれる)
まるでおしんのような少女時代をすごす。父親からも愛されず自分のために母親は死んだと思い込んでいる。緑色の肌のせいで友達もいない。常に足の不自由な妹に尽くしている。「オズの魔法使い」では悪の親玉だった西の魔女の若かりし日の姿に驚愕させられる。私は一番前の席で観ていたので、エルファバをいじめるオズの住民たちの憎しみの顔の表情がとても印象に残りました。役者さんも仕事とはいえ、毎日こんな嫌な顔を演じなくてはいけないなんてタイヘンだろう。エルファバを見つめる他人の視線は、タイヘン厳しいものでしたから、彼女は常に自分自身を守る必要がありました。少女時代の彼女はみえない鉄壁の防御を築いていた。その壁を自ら取り除こうとした瞬間があります。そのきっかけはグリンダからもらった黒い帽子です。(グリンダは悪意を込めてその帽子をプレゼントしたが・・)後にウィキッド(悪の魔女)のシンボルにもなる黒い帽子が実は友情の証だったとは誰が考えるでしょうか!とても切ない(>_<)
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ワタシのベストシーンは帽子をもらったエルファバアがはじめて他人に対して心を開こうとしてパーティーでへんてこなダンスを踊ろうとするシーン。

観客は笑っていましたし、あれは笑う場面だと思います。
しかし私はたぶん1人で感傷に浸っていました。


「この人はなんて不器用なんだろうか!!」


と思って泣けてきたのです。彼女は不器用だ、しかし傷付きながらも必死で人間を愛そうとしている。・・・・エルファバの奇妙な愛情表現を見ていると本当にハラハラする。他人から見たら変態にしか見えないだろう。今にも悪意のこもった嘲笑がエルファバの心を傷つけようとしていた。そういうエルファバの仕草をみて、グリンダはどう対応するだろうか?と思った瞬間、2人はいっしょに踊りだす。


うおぉぉー!グリンダ~ぁぁ!いい奴ぢゃないかぁぁ!(泣)


はじめて観たなかでこのシーンが一番です。一番感動しました。そして一番エルファバが幸せそうな顔をしていたように思います。


↓は、さえないエルファバを美人に変身させようと考えるグリンダ。
「わたしっていい人なのよね~オホホ~」というグリンダの高笑いが聞こえてきそう。
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濱田めぐみに関しては、文章の巧い人が、ありとあらゆる美麗賛辞を用いて褒めているでしょうから、別にワタシの下手な文章で褒めるまでもないでしょう。だけど、それでもつまらない日本語だけど1つだけ言いたいです。素晴らしい!もうその一言に尽きます。それしか言えません。てゆうか自分のボキャブラリーの少なさを嘆くばかりです。

オズの魔法使い
臆病な権力者。彼は魔法を使えないがゆえに魔法使いを恐れる。自分に危害を加えそうな強い魔法使いを異常に警戒していたのでした。でもこういうオズの人物描写は非常に面白い設定だと思う。

明石家 さんまにオズを演じさせればもっと面白いかも?などと考えていました。
ある意味でオズは、ブラックデビルやパーでんねん的なキャラだと思う。

オズはドロシーと同様に被害者の1人だとも言える。しかしわが身の保身のために、彼はある1つの「政治」を行います。それは魔法界の動物たちから言葉を奪うというものでした。民衆の不満をかわすために、共通の敵を作るという手法はヒットラーもやったこと。オズの国では動物が人間と対等な立場であり、動物であっても学校の先生という職業につくことができる。そのことに目をつけたオズは国をまとめるために排除の論理を用いた。つまり強力な連帯感を生み出すためには絶対的な敵を作るしか方法がないと言われているとおりのことをこの男はやってのけたのです。大悪党ではないのですが臆病な子悪党です。
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