「キャッチャー・イン・ザ・ライ」村上春樹
名著「ライ麦畑でつかまえて」を村上春樹が翻訳したものです。
村上春樹の言葉はもはや村上春樹語と言っても良いくらいに独特で確立されているので
この作品も翻訳本というよりは、村上春樹が書いた小説のようになっていました。
ホールデンくんのように純粋で生意気で生きるのが下手な子供が、いったん村上語で喋り出すと、イメージがやはり変わってくる。 村上語でしゃべるホールデンくんは、やっぱり少し上品になってしまった感じがします。
原作のホールデンくんは
「世の中はくそったれだ」「インチキやろうのクソ大人め」
といつも言っているロック調の男の子というイメージがあったのですが。
だんだん孤立を深めて転落していくホールデンくんは見ていてやはり切ないです。