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「アミービック」 金原ひとみ

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主人公はいつも泥酔しながら支離滅裂な文章を書く20歳ぐらいの女性ライターという設定。しかも拒食症で食べ物はほとんど食べず、お酒しか飲まない。お酒が主食。体重は30キロ台。心が病んでいる女の子です。

この小説は金原ひとみ君がお酒を飲んで意識が朦朧とした状態のときに書かれた文章をよせ集めて作られた作品のようです。・・著者の言葉を借りるならば「錯乱状態」のときに書いた文章だとのこと。だから正直いって、なにを言っているのか、さっぱり分からないし、とくに分かりたいとも思わない(苦笑) でもなんとなくすごいと思う。 

それは私にとって「金原ひとみ」が1つのブランドになっているからなのかもしれない。

でもやっぱり意味が分からない・・・。

アミービック?

アメーバー?

私にとってアメーバなんて

ドラゴンクエストに登場する

かわいいスライム

しか思う浮かばない。


主人公(つまり金原ひとみ本人でしょう)は、分裂を防ぐために小説を書いている?なるほど、彼女は文章を書かないと、だんだん皮膚がとけてアメーバーのように自分がドロドロになってしまという。そうか、これでようやく分かった・・・分かるかい! というふうにぶつぶつ言いながら読んでいました。 

たしか主人公の名前が一度も出てこなかった。ほとんどこれは著者の作文だと思います。著者本人は錯文だと言っていますが、どうやら自虐的なダジャレじゃなくて大真面目にそう言っているみたい。この子は自分を救うために小説を書いているのではなくて、書くために、自ら「破滅」を欲しがっているのではないでしょうか。もし私が魚なら「痛み」は水だ、と言った作家がいましたがそういうのと似ていると思いました。