人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「海の仙人」 いとやま秋子

「海の仙人」 いとやま秋子_e0065456_11185043.jpg


いきなり神さまが登場して、おれは「ファンタジーだ」と言ったときは
読むのをやめようかと思いました。
どうせ図書館で借りてきた本だし(苦笑)

ファンタジーという神さまは、なにかのメタファー(隠喩)なのでしょうね。
人のこころの迷いが、形となって現れたものかもしれません。

海の仙人、というのは、ファンタジーのことじゃなくて主人公のことでした。

主人公は宝くじで3億円を当てて、東京の会社を辞め、田舎の海辺の家に定住する。
悠々自適の生活・・・というのではなくて、人生をリタイヤしてしまった若者というふうに見える。
まさに仙人のように、俗世を捨てて、ひっそりと暮らしている。
病気で会社を退職した作家本人の、当時の心境を描いたのでしょうか。

コミニケーションは、生きていくうえで非常に大切なもので、それを放棄することは
社会からドロップアウトしてしまう人だと思います。
本来、人間は、仙人のように、コミニケーションを拒否して生きていくことはできない。

ちなみに、「仙人」の定義は、不老不死だそうです・・・・
やっぱり人間じゃないじゃん(汗)

しかし、3億円も手に入ったら、私も主人公と同じ行動をとるかもしれない・・・。

ただし、私だったらハワイの海で仙人になりますがね(笑)

主人公が定住している北陸の海って、天気がいつも悪いから
黒ずんで見えるのですよね・・。
実際に北陸に住んでいる私は、青い海に憧れます。
海というのは、太陽の光があって、はじめて癒されるものだと私は思います。