夢の守り人

本誌評価は★☆☆☆☆ 1点
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本作品は「あの世」と「この世」がテーマです。
そのテーマが好きではない私にとっては決して面白い作品だとは言えない。
傷ついたバルサのホイミ回復役のタンダが主役級の扱いだ。
しかもこのタンダ、役に立つどころか、タイヘン迷惑をかけている。
基本的にホイミしか能がない男だが
今回は敵にそそのかされて、バルサに襲い掛かってくる。困った奴だ。
人鬼というらしい。
しかし痛いという感情が欠落しているのでゾンビと似たようなものでしょう。感染はしない模様。
それから、トロガイ師の若かりし日の恋物語まで描かれている。
はっきり言わせてもらうと気色が悪い。
この作品の表紙にトロガイ師らしき人物が描かれているが、まさに妖怪。
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若いころの顔など想像できない。想像したくない。
トロガイ師が子供を産んだことがあるだとか
恥じらいのある乙女だっただとか、まったく興味が湧かなかった。
別にトロガイ師に悪意はないが、彼女は善人であるよりも、悪の華のように
不敵な人物として描いてくれた方が面白い。
そのトロガイ師の弟子のタンダ。それにしても本作品のタンダはうざい。
非常に迷惑な存在として描かれている。
正直、ラストでバルサが愛するタンダをやむえず倒して
「タンダよ、おまえのぶんまで力強く生きていく」と宣言してくれたら最高だったが
残念にもタンダはくたばらなかった。
守り人シリーズの愛読者の代表として言わせていただくと、タンダは、いりません。

この守り人シリーズの特徴として、肉体から魂が離れるという描写がある。
これは別作品「鹿の王」でも見られたがどうもそれを想像することがとても困難で面白みに欠ける。
魂抜け、魂呼ばい、上橋ワールドならではの造語が登場。
魂を別の動物にうつして行動することもある。それができるのは基本的に呪術師らしい。
まあどうでもいい。
4巻になると、チャグム皇太子もいつのまにか魂だけで飛び立つことができるようになっている。
本当にどうでもいい。
ファンタジーだから許容範囲には入る。しかし想像力が働かない。追いつかない。
それから20歳に見えるが実際は52歳という歌い手も想像するのがかなり難しい。
この作品は本当に想像するのが難しい。
ラスボスの花番も男になったり、女になったり、これも想像するのが難しい。
ファンタジー色が濃いと言えばそれまでですが
妄想に近い。夢の守り人というか妄想の守り人と言った方がいいと思います。
チャグムもチラリと登場する。まだこの段階ではスネ夫臭が抜けていなくて少しイラッとする。
前二作は、アクションが多かったが、本作品は基本的には味方が敵になって襲ってくるので
思い切った戦いにはなっていない。そこが若干消化不良気味となっている。
バルサじたいは逃げ回ってばかり。夢のなかで大暴れすることもなし。
基本的には魂だけになって、花番のなわばりから逃げだして終わりという感じに見えてしまう。
ちなみに前二作はバルサが守り人だが
本作は、タンダやトロガイら呪術師が守り人という扱いになっている。
呪術師は夢のなかで人々を死の縁ぎりぎりのところから連れ帰る役目を帯びているらしい。
それが夢の守り人だと。
分かったような、分からないような・・。どうでもいいような・・。
キーワードは、夢、歌、花、三作目は少女向けだと感じました。
タンダ好きには必見。しかしアンチタンダの私は終始いらいらして読み終えました。
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