今年も恒例の能登ドライブにふらりと行って来てた。最果ての地である。
その能登の里山里海が世界農業遺産に認定されたらしい。
これはけっこうタイヘン栄誉があるものらしい。先進国では初めての快挙だ。
すなわち、能登は日本離れした原始的な風景をいまだに残しているということである。
たしかに能登はふつうじゃない。あそこは秘境だ。この世の果てだ。
ただし、私がイメージする能登とは「奥能登」のことである。
今回、受賞した「能登」の範囲は、羽咋市以北だ。
ちなみに羽咋とは下の地図の場所だ。羽咋より上が受賞した地域だ。

もちろん、羽咋付近は、私の好きな奥能登ではない。
奥能登(おくのと)は、能登半島の最北部(最奥部)のこと。
行政区域は珠洲市、輪島市、鳳珠郡(能登町、穴水町)だ。
ちなみに能登半島の南部を口能登(くちのと)、中部を中能登(なかのと)と呼ぶらしい。
いずれにせよ、奥能登以外は、単なる日本だ。どこにでもある風景だ。
奥能登だけが日本離れしている。この世の終末だ。
車でまわることができる野外美術館だ。だから好きだ。
自殺の名所、ヤセの断崖。「ゼロの焦点」の舞台となった場所。

数年前に訪れたが、とにかく横殴りに風が異常なくらいに強かった。
あの横風は、おそらく私を海へ突き落とそうという意図があったに違いない。

このへんから徐々に不気味で神聖な「奥能登」に近づいてくる、しかし決して奥能登ではない。
ここは輪島の手前だ。輪島を過ぎてから奥能登だと考える。
だけど、ヤセの断崖あたりから、奥能登の漆黒の美しさが垣間見ることができる。
奥能登手前の海沿いのバス停。このバス停すら1つの美術品だ。奥能登は近い。

奥能登突入。有名な千枚田。これが世界農業遺産受賞の決め手になったかも。
右のほうに移動する車が見えるだろうか?そこが道路になっている。
じつはここを右折してさらにいくと、悲鳴をあげたくなるほど美しい景観があるが
車を停める場所がないので、写真を撮ることができない。

夜の千枚田。ちょっとライトアップ。夜中にここでエンストを起したらイヤだろうな・・
JAFのお兄さんだって来るのがイヤだろうな・・・海が怖すぎる。まるでホラー。

奥能登の宿泊場所で有名なのはランプの宿。まさに日本最果ての地。
お金を出せばすぐに宿泊できるという場所ではけっしてない。運のみ。
ホラー映画の舞台にもなりえる。仕事に落ち込んだときに是非。

ランプの宿。露天風呂。奥能登は存在じたいが美術館だ。

かつてある芥川賞作家が、この地域を旅行し、海面の光を見て、「人を死に誘う」
と言ったことがある。たしかに奥能登は不気味だ。しかし美しい。
断崖を突き抜ける極寒の強風
敵意を持った冷たい日本海、
漆黒の闇夜から聞こえてくるさざなみの唄
風光明媚な孤高の漁村
奥能登へ行くと誰もが詩人になってしまう。まさに文学的な場所なのです。